台風までに間に合えば

私が住んでいるのは台風が通過することの多い南国、バカンスで訪れるには良いところだと思うが、生活をするとなると色々と大変。
生活を困難にさせているのは収入の少なさ、収入は少なくてもリゾート地により物価は高い。
収入が少ないと人を雇う余裕はない、台風で家が壊れても、お金が無ければ自分で直すしかない。
強烈な台風が直撃するため、コンクリート造りの家は多く、伝統的な家だと屋根には瓦が載っている。
台風が多いため、瓦を載せただけでは風で飛ばされてしまうため、瓦は漆喰で固定されている。
屋根に使われる瓦は塗装の必要は無いと思っている人が多いが、セメント瓦の場合は塗装をしないとセメントがボロボロになり雨漏りの原因となる。
粘土を焼いて作る瓦と違い、セメントを型に流して作るセメント瓦は耐久性に問題があり、人が乗ると重さに耐えられず割れてしまう、
塗装をしても割れてしまえば、そこから雨漏りを起こすため、屋根の塗装だけは業者さんにお願いしている。
台風が多いと、壊れることが前提で家が出来ているため、修理が容易な1階建ての家が多い。
1階建ての家だと、歩いていると屋根が視界に入り、素人が塗った屋根かそれとも業者さんが塗った屋根かは一目瞭然。
業者が施した屋根は、白色の漆喰と瓦の色がハッキリ分かれ、見た目がシャキッとしている。
素人が塗った屋根は、塗料が漆喰にはみ出し、みっともない。
それを地元の人は味があると思っているが、みっともない屋根は観光客も気付き、人が寄り付かない。
台風が来る前に屋根の塗装をしなくてはならないのだが、夏だと屋根は灼熱、地元の業者だと頼んでも屋根の塗装はやりたがらない。
ノンビリした県民性もあるのだろう、業者に頼んで塗装をしてもらうと時間が掛かる。
まだ、終わらないのかなと思い屋根を見てみると、業者さんは塗装の手を止め海を見ていた。
仕方がない、無理に頼んだのだから。しばらくして、再び屋根を見ると、業者さんは、まだ、海を見ている。
いい加減、塗装を再開してくれないかと思い屋根を見ると、業者さんは帰り支度、それで良いんだ、私もそうだから。