怠れば劣化するのは人間も屋根も同じ
朝起きてカーテンを開けると、隣の家の屋根にブルーシートが被さっていた。
私、「雨漏りでもしたのかな?」
妻、「違うでしょ、お隣さんは、うちより後に建ったのだから」
仕事を終え帰宅すると、妻は普段は見せない笑顔だった。
私、「何か良いことでもあったの?」
妻、「お隣さん、雨漏りしたって(笑)」
私、「・・・」
妻は他人の不幸を喜ぶところが昔からある。
翌日は会社が休み、犬の散歩をしているとお隣の旦那さんが「お宅も屋根の塗装をしたほうが良いよ」と言ってくれた。
そのことを妻に話すと
妻、「大きなお世話よ。うちは雨漏りしてないのだから(笑)」
私、「・・・」
妻は他人の不幸を喜ぶところが昔からある、それを知ったのは結婚をしてから。
お隣さんの家は、地元では評判の良い工務店が建てた、評判の良い工務店が建てた家でも屋根から雨漏りするのだから、廉価住宅の私の家もいつ雨漏りをしてもオカシクない。
私、「うちも屋根を塗装しようか?」
私、「うちはまだ良いわよ、建ててから10年しか建ってないのだから」
私の家は結婚を機に建てた、結婚した当時の妻は可愛かった、しかし、10年後の妻にその頃の面影は微塵も残っていない、そう思うと家のことが心配。
妻が反対しているため塗装するのは屋根だけ、どんな塗料で塗れば良いのだろう? 高価な塗料は長持ちするだけでなく、屋根材の劣化を防いでくれる。
妻が使っている化粧品は安物、だから、妻は肌の劣化を防げなかったのだろう(笑)、結婚をしてからの私は考え方が妻に似て来た、その自覚はある。
私だけでは妻を説得出来ないため、塗装業者さんに家に来てもらった。
業者さん、「屋根の塗装を怠ると葺き替えが必要になります」
屋根は屋根材を葺き替えれば元通りにキレイになるが、妻は何をしても元には戻らない(笑)。
私、「どうする?」
妻、「葺き替えが必要になるなら屋根塗装をするしかないでしょ」
業者さんが帰られてから、私は妻に叱られた。
妻、「業者さんを呼んだら、断れないでしょ!」
私、「ごめん」
妻、「60万円しか出せないからね、オーバーしたら貴方の小遣いを減らすからね(怒)!」
私、「分かった」
妻は屋根塗装に助成金が出ることは知らない、助成金で安くなった分は私のお小遣いになった、結婚をしてからの私は妻に似てずる賢くなった。