外壁塗装がキッカケで

外壁塗装がキッカケで

知り合いに勧められ、玄関をリフォームしたり、部屋の壁紙を変えてみたりしたのだが、息子の引きこもりは治らなかった。
引きこもりの息子を病院に連れて行ったらと言う人は多いが、引きこもりだと病院にも行きたがらない。

息子が引きこもりになって、早3年が経つ。
息子と同年代の者は大学生になって青春をしているのに、うちの息子は部屋の中で何をしているのかサッパリ分からない。
旦那、「家の定期検査はどうするんだ?」
家を建てて10年目のため、保障を継続させるには、家を建てた業者さんの検査を受けなくてはならないのだが、息子は部屋に引きこもり、誰も部屋に入れさせないため、定期検査を受けられない。
息子が引きこもりになって3年も経つと、家の定期検査は来年にしようとは安易には思えない。

家を建てて10年目に外壁塗装をするつもりでいたため、家を建てた業者さんに、息子の部屋に入らず外壁塗装が出来るのか聞いてみると、出来ると言われたのだが、家を建てた業者さんが来ることに、引きこもりの息子はメッチャ反対した。
息子が反対したのは、家を建てた業者さんに存在が知られているから。
引きこもりをしていても、年頃の男の子のため、息子が反対する気持ちは分からないでもない。
家を建てた業者とは異なる塗装業者さんなら、息子は渋々承諾してくれたため、家の外壁塗装をすることにした。

外壁塗装が始まっても、相変わらず息子は自分の部屋に引きこもり中。
息子の部屋だけ1日中カーテンが閉まっていても、塗装業者さんは何も聞いてこない。
家の周囲には足場が組まれているのだが、上に上がれないよう足場の階段には塗料が入った一斗缶等が置かれている。

塗装業者さんが来ない日曜日、引きこもりの息子が、自分の部屋の窓から足場を使って家の屋上に上がった。
平日、塗装業者さんが帰るのは夕方5時。平日も足場を使って、息子は屋上に上がるようになった。
屋上に上がった息子を親としては心配だったのだが、それ以上に心配だったのが、外壁塗装が終わり屋上に上がれなくなること。
しかし、足場が解体され屋上に上がれなくなると、息子は外出するようになり、3年続いた引きこもりは終わった。

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